麹菌というと皆さんは何を思い浮かべますか?
2011年3月の震災後、『塩麹』が一時期、流行りましたね。そしてまた最近は『甘酒』も定着しつつあります。

しかし実は麹菌はもっと身近なもので、和食を支えている主要な調味料は、発酵のスターターとして麹菌が深く関わっているのです。

では和食の調味料として何があるでしょう?
和食レシピで見かける 味噌・醤油・酒・酢・みりん・鰹節 これら全てに麹菌が最初に関わっています。
簡単に言ってしまえば、麹菌がなければ和食の味は成り立たないのです。

出汁(ダシ)に使う鰹節にまで麹菌が関わっているなんて驚きですが、アスペルギルス・グラウカスという麹菌は鰹節の脂を分解し脂肪酸に変えるリパーゼや、たんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼという酵素の働きと麹菌が表面で繁殖することにより鰹節内の水分をどんどん抜いて乾燥させる働きがあります。

魚を塩麹などに漬け込むことで、生臭さが消えるのは麹菌の持つ酵素の働きで魚脂が綺麗に分解されたり、たんぱく質が旨味成分のアミノ酸になるのでトリメチルアミンが生成されることなくアンモニア臭が発生しにくいのかもしれません。

ちょっと横道に逸れてしまいましたが、こんな風に花巻ゆみの発酵教室。では良くも悪くも私の体感とか経験が頭の中で繋がって、『花巻式』の考え方が生まれます。そして教室にいらっしゃった方々には、その『花巻式』のお話を随所にさせていただいています。

その中で、おそらく私しか語っていないだろうと思うのは、麹菌のもつ酵素の分解力の強さです。巷で言われてるレベルではなく、重金属をも分解すると思っています。なので、同じ重金属である放射能さえも分解できるのではないかと思うわけです。

最初にそのパワーを感じたきっかけは、甘酒を作るときに使った炊飯器でした。
一般的な甘酒は炊飯器に米と米麹を入れて水を入れ6時間ほど保温するのですが、その作り方を初めて6ヵ月ほど経過した際に、炊飯器の底がプツプツとなり、テフロンが浮いて小さく穴がありました。そこを開いて見てみると、(写真1・2・3)のような状態になっていました。

分かりにくいかもしれませんが、テフロンの下のステンレスだけではなく、クレーターのような凸凹のへこみ具合からアルミの層まで溶けているように見えます。

メーカーに電話確認したところ、『我が社のステンレスが麹菌によって浸食されるようなことはありません。』とのことでしたが、実際に指で触ると明らかに凹んでいます。すでに2年経過しメーカー側にも何か変化があったかと思い(2016.4)再度電話で確認してみましたが、同じ回答でした。
炊飯器は購入後2年経っていなかったので、保証期間内ということで内釜を新しいものと交換していただけたのですが、そのために残念ながら現物は残っておりません。

長年にわたり電気炊飯器をと接して来ましたが、表面のテフロンは傷ではがれることはありますが、ステンレスやアルミが溶けたものを見た記憶はありません。

テフロン=フッ素加工ですが、このフッ素は神経毒と言われています。(http://www.thinker-japan.com/husso.html#3)
アルミの毒性に関しても賛否両論ですが、私は危険性を世の中に訴える力の方がパワーが必要なものと感じているので、あえて危険性があるというものを摂取したくないと考えています。

健康に良いといわれる甘酒を作るためにはヨーグルティアも便利であることは知りながら、プラスチックなので環境ホルモンが出ることを考えると買うこともできないでいました。

けれど、ある日ふとガラス瓶を入れて湯煎(本体に水を入れてはダメです)にして作ればいいのではないかと思い試してみたところ計測しても温度変化がなく安定して作れることが分かりました。
ヨーグルティア+ガラス瓶+湯煎〜『花巻式ガラス瓶湯煎発酵法』の誕生でした。(2014.5.29)

メーカーのタニカ電器さんにガラス瓶の容器を作っていただきたいとFacebookからお願いしたのですが、ガラス瓶のメーカーを何社か当たってもロット数が大きすぎてとても無理といわれました。当時10万個単位とおっしゃっていました。(写真4)

花巻ゆみの発酵教室。『ヨーグルティアで作る甘酒&甘みそ教室』は出来るだけ同じサイズに近いガラス瓶で代用し、この
ヨーグルティア+ガラス瓶+湯煎〜『花巻式ガラス瓶湯煎発酵法』を皆様にお伝えする教室です。

参加された皆様にプラスチックの容器で作るときとの味の違いを実感していただくたびに、私はガラス瓶で作ることの有用性を感じています。重金属も分解するぐらいですから、当然ナイロンやプラスチック・ポリ容器も溶かしている可能性もあります。

例えばジップ○○などに麹菌で作った付けダレに漬け込み忘れて2週間以上おいてしまったとき、ジップ○○を開けると、ポリ臭いにおいがします。口に入れると嫌な感じがあり、腐った匂いではなく、化学物質的な匂いです。

教室ではこの他にも経験上感じた麹菌のもつ酵素パワーの数々をお伝えしています。他の乳酸菌・酵母菌とはレベルが違うと考えているので、麹菌がスターターで手造りする発酵食品に関しては、製造時・保存時ともにガラス瓶・ホウロウ・陶器(セラミック)・木樽のいずれかを使用するように教室ではお伝えしております。

頭の中で作り上げた理論が本当に正しいのかどうか、私があと35歳若ければ自分で実験したいところですが、今のところ台所での経験でしか皆さんにお伝えすることができないのが残念です。

この内容をご覧いただいて、大学で麹菌研究の材料にしていただけると嬉しく思います。
なお、
この考え方及び写真を転載・転用される場合は必ずご連絡をいただき、私のHPのURLを明記するようにお願いいたします。

2016年4月15日   花巻ゆみ     

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